町田は選手・スタッフによる投票により主将に任命されたDF昌子源を負傷で欠く中、2月24日開幕戦のガンバ大阪戦(町田GIONスタジアム)を迎えたが、その穴を2023シーズンから所属しJ2優勝に大きく貢献したDFチャン・ミンギュが見事に埋めてみせ、5節終了時点でわずか3失点という強固な守備力によって、開幕ダッシュに成功した。
またチャンは、DFドレシェヴィッチの負傷欠場時にもその穴を埋め、貴重なバックアッパーとして欠かせない存在だった。攻撃陣ばかりに目が行きそうだが、DF陣のみならず守備時の切り替えも早く、「全員守備」の意識がチーム全体に行き届いていたことが、快進撃の大きな要因となっていた。
前線では、FWオ・セフンとFWナ・サンホの韓国人2トップが開幕スタメンを張ったが、ナ・サンホがG大阪戦の前半で負傷交代してしまう。そのピンチをチャンスに変えたのが、FW藤尾翔太だ。セレッソ大阪の下部組織出身ながら、2021シーズンに水戸ホーリーホック、2022シーズンに徳島ヴォルティスとレンタル移籍を繰り返し、2023シーズンに当時J2の町田に加入。33試合8得点をマークし、J1昇格に貢献。そして2024シーズン完全移籍に移行した苦労人でもある。
また、2023年8月に前十字靭帯断裂の重傷を負ったFWエリキも、5月3日の第11節柏レイソル戦で復帰。徐々に出場時間を増やしながら、8月31日の第29節浦和戦では、後半36分から投入され、後半アディショナルタイムのラストプレーで同点ゴールを決めるなど、印象に残るプレーを見せた。
加えて山梨学院大時代の2021-2022年に特別指定選手としてプレーし、2023年に正式に入団、通算70試合に出場したFW平河悠も右インサイドハーフとしてチャンスメイク。オーストラリア代表でもあるFWミッチェル・デュークも33歳という年齢を感じさせない運動量で、チームを下支えした。