プロ1年目となった2021シーズンの今治時代は、ウィングを主戦場としてJ3リーグ12試合出場ノーゴールノーアシスト。翌2022シーズンにYS横浜へ移籍すると、当時の星川敬監督の提案でセンターフォワードへとコンバート。ウィング時代はボールを受けに行くポジショニングを取っていたが、コンバート後は、相手の背後を狙うなど意識を変えJ3リーグ21試合11得点とFWとして才能を開花させた。この活躍を受けて2023シーズンよりJ1の湘南へと移籍を果たした。

移籍初年度こそ公式戦11試合(リーグ戦10、天皇杯1)でノーゴールと結果が振るわなかったが、在籍2年目の今シーズンは公式戦38試合で11ゴール(リーグ戦10、ルヴァン杯1)4アシスト(リーグ戦)と覚醒。相手からのマークが厳しくなることが予想される来季に今季以上の活躍を見せられれば、昨夏ブラックバーン・ローバーズ(イングランド2部)に移籍したFW大橋祐紀のように海外クラブへとステップアップする日も遠くないはずだ。


田中聡 写真:Getty Images

MF田中聡(湘南ベルマーレ)

6人目は同じく湘南のMF田中聡。特徴はなんといっても「守備強度の高さ」ではないだろうか。今シーズンも相手選手とのイーブンなボールをものの見事にマイボールにしてきた。短所である戦術理解度が上がれば、同クラブOBで現在リバプール(イングランド1部)で活躍するMF遠藤航のように更に大化けする可能性は高い。

今シーズンは持ち前の守備強度の高さからデュエルを制し、相手の攻撃チャンスをことごとく潰してきた。さらに今季は公式戦36試合出場5ゴール4アシスト(全てリーグ戦)と数字でも結果を残した。

しかし見つかった課題も多い。田中が務めるボランチは中盤に位置し攻守の要となるため、いわゆるチームの心臓的な存在だ。前線やサイドでプレーするポジションとは異なり、ある程度どっしりと構えている必要がある。持ち前の瞬発力を生かし広範囲に顔を出してきた田中だが、その結果ボールが相手に渡ってしまったケースもある。その際、広大なスペースが生じ、いくつものピンチを招いてしまうシーンも見受けられた。カバーに行くか否かを瞬時に判断する能力が身に付けば、チームとしても守備のリスクヘッジが可能である。弱冠22歳の田中。来季更なる飛躍を遂げることが出来るのか、そのプレーに一層注目が集まる。


山田新 写真:Getty Images

FW山田新(川崎フロンターレ)