秋田県内では今年に入ってから多数の熊による被害が報告・報道されています。
鹿角市十和田大湯では、5月中旬、山に入った60代男性の捜索中だった秋田県警の警察官2人も負傷したという事件がありました。これを受けて、より防禦性能の高い防護装備が支給されているなど対策が講じられています。
最近では11月30日に、秋田県内のスーパーマーケットの「いとく」にクマが入り込んで2日間居座ったという事件がありました。この事件に関しては56件の問い合わせ等があり、4割が熊の殺処分に反対で、そのほとんどが県外からのものだったと17日に生活環境部長から答弁されています。
こうした中でデマや思い違いによる熊駆除事業者に対する誹謗中傷が行われており、【クマについてよくあるご意見・ご質問 | 美の国あきたネット】をみると、「秋田県はクマを絶滅させようとしているのですか」「ハンターが金儲けのためにクマを大量に駆除しているのではないですか」というQに対する回答が掲載されているように、現実にこうした「攻撃」が県行政に届いているようです。実際、Xで検索すると、同趣旨の内容の投稿をしている複数のアカウントが見つかります⇒例1 例2
北海道でも、熊駆除のために行政から要請を受けた猟友会が、その金額の余りの低さに要請に応じないとしたり、クマ駆除を依頼されて撃ったのにその際の行為が危険だったとして猟銃所持免許停止の処分を受けた者が不服申し立ての訴訟をしたものの札幌高裁が棄却するなど、社会的影響が大きい事件が相次いでいます。
他者への攻撃を正当化する甘えた心性「被害者文化」による独善的正義感今年3月に発行された【「やさしさ」の免罪符 暴走する被害者意識と「社会正義」[ 林智裕 ]】では、冒頭に昨年のクマ被害の現状と、秋田県のクマ捕獲・駆除に対するクレーマーの事案が取り上げられています。