地球上には膨大な数の生物が存在しており、それらを構成する細胞の数はさらに多くなります。
では、現在生きている細胞数をすべて合計すると、どれくらいの数字になるでしょうか。
また、これまでに存在してきた細胞数を合計すると、どれほどの規模になるでしょうか。
カナダのカールトン大学(Carleton University)に所属するピーター・W・クロックフォード氏ら研究チームは、その疑問の答えを提出しています。
なんと生きた細胞の数は、星や砂粒よりもはるかに多いのです。
研究の詳細は、2023年10月11日付の学術誌『Current Biology』に掲載されました。
目次
- 細胞の数を知ることの意味
- 地球上の細胞の数は、砂粒の1兆倍以上
細胞の数を知ることの意味
多種多様な生物、微生物から巨大な動物まで観察していると、「地球にはどれくらいの生物や細胞が存在しているのだろう?」と考えるかもしれません。
この疑問の答えを明らかにすることには、私たちの好奇心を満たす以上の意味があります。
科学者たちにとって、生命の基本単位である「細胞の数」を知ることは、地球の生命維持のメカニズムや将来の限界を理解する上で重要なのです。
このような細胞の定量化の必要性は、「パズル」や「家計簿」に例えて考えられるかもしれません。
地球を巨大な生命のパズルに例えると、細胞は1つのピースです。
ピースの総数を知っているなら、パズルを完成させるために必要な時間を計算できるでしょう。
同様に、地球に存在する細胞の数を知ることで、生態系全体の仕組みや炭素の流れを正確に理解できるかもしれません。
あるいは、細胞の数を正確に知ることを、家計簿をつけることにも例えられるかもしれません。
家計簿では、収入と支出のバランスを知ることで、どのくらい貯金ができるのか、どれだけ生活費が必要か計算できます。