実はこれ以前に、マンガンとリン酸塩を組み合わせると強力な抗酸化物質が合成できることは知られていました。

しかしコナン細菌はそこへさらに、複数のアミノ酸の結合でできた分子の「ペプチド」を組み合わせており、実験の結果、マンガンとリン酸塩だけの組み合わせよりも遥かに強い放射線耐性を発揮したのです。

研究主任のブライアン・ホフマン(Brian Hoffman)氏も「この3つの複合体こそが放射線に対する優れたシールドになっていました」と説明。

その上で「マンガンとリン酸塩が一緒になると強力な抗酸化物質になることは以前から知られていましたが、今回、第3のペプチドを加えることによってもたらされる『魔法の力』を発見できたことは非常に画期的です」と続けています。

コナン細菌は放射線によって大ダメージを与えられる前に、強力な抗酸化物質シールドでもって、活性酸素を除去していたのです。

そして最小限に抑えられたダメージのおかげで、その後のDNA修復プロセスへとスムーズに移行できると考えられます。

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宇宙飛行士を放射線から守るのに役立つかも/ Credit: canva

今回の知見は、医療や防衛、宇宙探査の分野に大いに役立てられる成果です。

ホフマン氏らは例えば、ミッション中の宇宙飛行士を強烈な放射線から守る薬剤を開発したり、放射線から身を守るワクチンの開発につながると考えています。

コナン細菌の力が私たちを放射線の脅威から守ってくれるかもしれません。

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参考文献

How ‘Conan the Bacterium’ withstands extreme radiation
https://news.northwestern.edu/stories/2024/12/how-conan-the-bacterium-withstands-extreme-radiation/

This Microbe Eats Radiation For Breakfast. Now We Know Its Secret.
https://www.sciencealert.com/study-reveals-new-secrets-on-why-blasting-this-microbe-with-radiation-wont-kill-it