では最後に、質量の壁を取っ払って人体の質量を0にし、光速にまで到達してみます。
すると何が起こるのか?
まず、光速で進む物体にとって、時間は完全に停止します。
アインシュタインの特殊相対性理論で証明されているように、光速で移動する物体にとっては時間は経過せず、時の流れも存在しなくなるのです。
そのため、光速に達した人は「一瞬」とも「永遠」とも取れるような、言葉では言い表せない時間体験をすることになるでしょう。
さらに光速に達した人からすると、前方の光の波長は無限に短く、後方の光の波長は無限に長くなって、観測できるレベルの範囲を超えてしまいます。
そして「光を見る」ということ自体が不可能になり、暗闇の世界に包まれるかもしれません。
光速に達した人間にはおそらく、時の移り変わりも美しい景色も目にすることはできません。
それはきっと不自由きわまりない世界のはずです。
私たちが今ある自由な世界を満喫できるのは、質量があるおかげだと言えるかもしれませんね。
「光の速度が低下する」ありえない世界を表現したゲーム
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参考文献
What would happen to the human body moving at near lightspeed?
https://www.popsci.com/science/lightspeed-human-body/
What would happen if you moved at the speed of light?
https://www.space.com/what-would-happen-if-you-moved-at-speed-of-light
What Would Happen If You Traveled At The Speed Of Light?
https://www.scienceabc.com/pure-sciences/what-would-happen-if-you-traveled-at-the-speed-of-light.html