――その話を含めて、新たな番組を作ってほしいですね。作ってください。「アトミックピープル」のパート2として。

インマン氏:そうですね。

なすびに注目したドキュメンタリー

――最後に、最新作の一つとなる日本のタレント、なすびさんを扱った番組のことを教えてください。

1998年1月から1999年4月まで、日本テレビの番組「進ぬ!電波少年」で放送された企画で、当時22歳のお笑い芸人なすび(本名浜津智明さん)が「人は懸賞だけで生きていけるか?」をテーマに、裸で部屋に閉じ込められた。目標金額100万円を達成するまでの様子を番組で放送した。本人は撮影されていることは知っていたが、その映像がどこで使われるのかは、あいまいな説明しかされていなかった。番組の人気コーナーとして全国放送され、次第に有名人になっていった。

インマン氏:これまでお話しした2つの番組は監督とプロデューサーを担当しましたが、こちらはプロデューサーとして参加しています。監督はクレア・ティトリーさんです。

2017年に監督と出会って、映画の企画を聞きました。私は小学生のころ、電波少年のなすびを見てはいけないけど見ていて、それで・・・

――みんな、笑っていましたよね。

インマン氏:笑っていたので、なすびさんのことは覚えていました。監督がなすびさんのドキュメンタリーを作っていると聞いたときに、その時に初めて、「あ、これはやばい」と思ったんです。彼女の視点でこの番組を見たら「ああ、ヤバイ」と。

――虐待ですよね。

インマン氏:どうやって作ったのだろうと思って、私もとても知りたくなりました。番組放送当時、私は10代だったけれども、周りの大人も笑っていました。監督は日本語を話せないし、誰も日本語を分かる人が周囲にいなかったので、私がプロデューサーをすることになりました。

――なすびさんは今、どうしていらっしゃるのでしょう?

インマン氏:ラジオの仕事をしているし、俳優や芝居も。でも、彼にとって一番大切なのは福島の復興です。彼は福島の出身なんです。福島の復興をメインにできることは何でもする、という形でやっています。