フクロウの首がぐりんと回る動画やGIF画像を見たことがあるかもしれません。
フクロウは人間と違って首を驚くほどひねって回転できます。
多くの人にとって「見慣れた動き」ですが、フクロウの首の可動域が広い理由はあまり知られていません。
ここでは、なぜフクロウの首はこんなに回せるのか? その必要性、さらに首がねじれても平気な理由について解説します。
目次
- フクロウの首はなぜ270°回るのか
- フクロウにはなぜ「首に広い可動域」が必要なのか
- フクロウが首を傾けたり回転したりしても血管が損傷しない理由
フクロウの首はなぜ270°回るのか
グルっと一回転しているように見えるフクロウの首ですが、厳密には彼らの首の可動範囲は右左それぞれに270°だとされています。
そのため彼らは首を傾げるだけでなく、頭を上下逆さまにしたり、体は正面を向いたまま、真後ろを見ることさえできるのです。
人間の首は右にも左にもそれぞれ約60°しか旋回しないことを考えると、フクロウの首と人間の首は大きく異なっていることが分かりますね。
では、どうしてフクロウの首は270°回るのでしょうか。
その秘密は、フクロウの頸椎(けいつい)にあります。
頸椎とは、首の骨のことであり、人間の場合、7つの骨とその間にある6つの椎間板で構成されています。
頸椎が複数の骨から成り立っているので、人は首と頭を上下に曲げたり、左右に旋回したりできます。
また頸椎は頭部を支えたり、重要な神経や血管を保護したりする役割も担っています。
鳥の骨格は体全体的に固定的でしなやかさに欠けるが、頸椎(首の骨)は多いため、首の柔軟性は高い。それがよく出てるのはフクロウだろう。
首は左右どちらか270度回せる(人間は90度)。左回りマックスから右回りマックスまで首を回すとなると、実に540度。1回転半も首を回すことになる pic.twitter.com/e9qrmtXBKj