騒動はここでも終わらない。自身や町田イレブンへ向けられた批判に対し、「家族がいるからね。子どもたちもいい気がしない」と、あくまで“被害者”であると主張を曲げなかった黒田監督。これを機に、町田と黒田監督はJの歴史上稀に見る批判の的となっていく。鎮火の兆しすら見えない事態に町田側は10月になって、加藤博太郎氏を顧問弁護士に据え「通報窓口」を設置した上で、SNSにおける誹謗中傷に対し、名誉毀損などの疑いで投稿者を東京地検に刑事告訴した。
現時点で逮捕者が出たという報道がないことで、投稿者を特定できたとしても内々に“注意”で済ませている可能性もある。ただ、アマチュア、しかも学生相手に負けたプロの監督が腹いせに発した言葉が炎上し、サポーターを巻き込んだ大騒動に発展したこの事案は、間違いなくJの黒歴史として記憶されるだろう。
12月9日、今2024シーズンの優秀監督賞の得票順位表を発表。その結果、J1優勝ヴィッセル神戸の吉田孝行監督(61票)を抑えて、サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督(121票)が受賞した。黒田監督は、3位東京ヴェルディの城福浩監督(44票)と、4位アルビレックス新潟の松橋力蔵監督(29票)の後塵を拝する16票の5位に終わっている。
なお、ベストイレブンにも町田からは1人も選出されなかった。これは選手と監督による投票だが、サポーターだけではなく他クラブの選手からも、順位ほどの評価を受けていなかったことを象徴しているのではないだろうか。