いかにも“ネット用語”であるようにも思えるJリーグへの揶揄用語だが、この言葉の発端は、Jリーグ前チェアマン村井満氏への日経新聞のインタビュー記事だ。
村井氏がJクラブを持つ自治体を訪れた際、「君たちは“ゼイリーグ”だ。どれだけ税金を使うんだ」となじられ続け、その度に頭を下げたと言い、さらに追い打ちをかけるかのように、「Jリーグと関わると抜けられない。悪質商法みたいだ」と、酷い言葉を投げ付けられたと述懐している。
税金をJリーグに使わせられた自治体が、当時の村井チェアマンをなじった言葉なのだが、いつしか言葉だけが独り歩きし、特にJリーグのアンチ(プロ野球ファンや、欧州サッカーしか見ないファン層)がJリーグを腐す際に多用されることになる。
Jリーグクラブを持つということは、自ずとスタジアム建設や改修、交通網などのインフラ整備など、地域社会を巻き込んでいる。特にスタジアムが自治体の税金による支援を受けていることに由来した言葉だが、そこに地域の活性化や一体感といった金額換算できないメリットや、アウェイサポーターの来訪による経済効果は一切考慮されていない。
村井氏はこれに対し『週刊経営財務』でのインタビューで、下記のように述べている。
「企業会計的な価値で測られた場合、Jクラブは簿価ベースでの資産が潤沢にあるわけでもなく、恒常的赤字ではないにせよ、利益を生まない存在に見えてしまう。今後は、Jクラブがいかに社会にとってかけがえのない存在であり、どれだけ大きな価値を持っているかというところを世の中に伝えていく作業が非常に大きなテーマになる」
「特に、Jリーグの場合は大きなスタジアムが必要なので、行政などに協力を仰ぎながら、公共交通機関の整備も必要。スタジアムや練習場の整備に、時には税金を投入するようなこともあるかもしれない。そういう意味では、Jリーグの価値の可視化をどこまで進めていくことが大きな課題」