村井氏は、Jリーグは金銭的に大きな価値がないことを認めた上で、「Jリーグ=文化」として理解されようと、陰ながら努力していた。しかしながら、税金の使い方に対し、納税者から厳しい目が注がれる昨今、せめてクラブが単体黒字を出さない限り、地方にとっては“不良債権”呼ばわりされることは避けられない。これはJ全60クラブに課せられた課題といえそうだ。

秋葉忠宏監督 写真:Getty Images

「This is …」清水エスパルス秋葉忠宏監督

清水エスパルスの秋葉忠宏監督が水戸ホーリーホック監督時代(2020-2022)から認知されていた「This is Football!」というこの言葉。クラブ初の2年連続でのJ2で、優勝とJ1復帰を目指す清水のサポーターを巻き込む言葉として一気にブレークを果たした。

このフレーズによって、秋葉監督は清水のスポンサーでもある静岡県の焼肉チェーン店『京昌園』のCMにも出演。「This is 焼肉!This is 京昌園!」と絶叫している映像が、テレビCMのみならずホームスタジアムのIAIスタジアム日本平でも流れ、サポーターの大爆笑を誘っている。

清水がJ2優勝を決めた11月3日の第37節いわきFC戦後には、インタビュー中にも関わらずゴール裏のサポーターに向け、「じゃあみなさんご一緒に!This is S-Pulse!」と声を張り上げ、喜びを分かち合った。クラブもこの“商機”を逃すはずもなく、秋葉監督自身が監修した「THIS IS」グッズを限定受注販売し、物販面でも貢献した。

2025シーズン、3年ぶりのJ1を戦う清水。もちろん簡単なタスクではないが、現実的な目標であるJ1定着を成し遂げ、再び「This is S-Pulse!」と吠えて欲しいものだ。


黒田剛監督 写真:Getty Images

「我々が正義」町田ゼルビア黒田剛監督