1:気候変動(大気中の二酸化炭素濃度など)
2:生物多様性の損失(生物種の絶滅率)
3:生物地球化学的循環(人為的に大気中から除去された窒素の量、人為的に海洋に入るリンの量など)
4:海洋酸性化(表層海水中のアラレ石の全球平均飽和状態)
5:土地利用の変化(農地に変換された地表面のパーセンテージ)
6:淡水利用(地球規模でどれだけ淡水を使っているか)
7:オゾンホール(成層圏のオゾン濃度)
8:大気エアロゾル粒子(大気中の全体的な粒子状物質の濃度)
9:化学物質による汚染(有機物質、重金属、放射能汚染などの環境中の濃度)
それぞれに「このレベルまでは大丈夫」という安全域と、「このレベルを超えてはいけない」という限界点が設けられています。
この限界点を超えると、地球環境の安定性と回復力に不可逆的なダメージをもたらす恐れがあるとされています。
プラネタリー・バウンダリーはこれまで、2009年・2015年・2017年・2023年と定期的に評価されており、人類が現状どれだけの惑星限界を超えてしまっているかが見積もられてきました。
しかしスウェーデン・ストックホルム大学によると、2023年時点で人類は9つのプラネタリー・バウンダリーのうち、すでに6つの限界点を超えていると報告されているのです。
2023年の評価を見ると、気候変動、生物多様性の損失、生物地球化学的循環、土地利用の変化、淡水利用、化学物質による汚染はすでに安全なレベルを超えてしまっているようです。
フローニンゲン大学の地球環境学者であるクラウス・フバチェク(Klaus Hubacek)氏は、プラネタリー・バウンダリーの観点から、持続可能なレベルで地球に暮らすには何をすべきかについて研究を続けてきました。
その中で地球環境に重大な悪影響を与えていると見られたのは、やはり「温室効果ガスの排出量」でした。