2024年現在、世界人口はついに80億人を突破しました。
その数は今後も増加の一途をたどり、2080年頃までには100億人を突破すると予測されています。
しかし人類の繁栄に対して、地球の方は耐えきれないかもしれません。
近年、人間の活動による温室効果ガスの増大によって地球温暖化が急速に進んでいるからです。
ただ温室効果ガスは誰もが平等に同じ量を出しているわけではありません。
オランダ・フローニンゲン大学(University of Groningen)の最新研究によると、世界人口の上位1%の富裕層が排出する温室効果ガスの量は、下位50%に当たる40億人の貧困層のなんと50倍に達することがわかったのです。
研究の詳細は2024年11月13日付で科学雑誌『Nature』に掲載されています。
目次
- 地球が耐えられる限界点を示す「プラネタリー・バウンダリー」とは?
- 富裕層の1%が大量の温室効果ガスを排出していた
地球が耐えられる限界点を示す「プラネタリー・バウンダリー」とは?
人間が使える地球の資源には限りがあります。
水や木々、土地、石油、家畜動物を好きなだけ消費することは、地球環境のバランスを崩壊させることに繋がりかねません。
その明確な事例が大気中の温室効果ガスの急増です。
人類はテクノロジーの進歩により、化石燃料の燃焼や電気の生成、家畜の飼育、農業生産、廃棄物管理を確立してきましたが、それに伴って温室効果ガスの排出量が増大しています。
その悪影響はすでに異常気象の増加、海面上昇、生物種の減少、食糧不足などの形で表面化しています。
そこで専門家たちは2009年に、人々が地球で安全に活動できる範囲を科学的に定義するための概念として「プラネタリー・バウンダリー(惑星限界)」を策定しました。
プラネタリー・バウンダリーは、以下の9つの項目で構成されています。