そして一週間のうち5日間も集まって一人一品を持ちより楽しく過ごす昼食会では、その持ちよったごちそうは相互に交換されるので、ソーシャル・キャピタルを媒介にした「共助」の交換に含まれる(金子、1998)。

「公助」と「共助」

周知の「公助」としては、自治体や企業や公益団体などが提供する専門サービスの消費が一方にあり、他方にはソーシャル・キャピタルを媒介として創造された「共助」による支援サービスの交換がある。

どちらかをまたは両者をともに選択するかどうかは、被支援者のライフスタイルとりわけその家族構造いかんで決まる。一人暮らしと三世代同居では家族構造が違うので、最終的なサービス選択を決定する要因に、家族構造を正確に位置づけることが総合地域福祉社会システムモデルでも重要になる。

縮小社会への対抗手段としての「商助」

ただし、宮本がまとめた「縮小社会への対抗手段」を詳しく点検すると、「自助」「互助」「公助」「共助」の4種類を使いながら、実のところは「商助」にも触れていることに気が付く。

たとえば、「都市部においては、互助の構築は容易ではない。代わりに市場サービスの選択肢が多く、サービス購入による・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自助は比較的容易である」(傍点金子、宮本、前掲論文:8)のうち傍点部分は、「商助」そのものだからである。

宮本は企業が提供するサービスを購入した側の視点から「自助」と表現したに過ぎない。視点を変えてサービス提供の側からならば、この行為は「商助」となる注11)。

もう一つの事例でも、たとえば「地域社会の再生とは、地域ごとに地域福祉活動、プロボノ活動・・・・・・、民間サービス等・・・・・・・、多様な担い手が参画できる社会」(傍点金子、同上:8)における「民間サービス等」でも、無償も有償もあり得るであろう。その場合、民間の無償サービスならば「共助」になり、有償ならば「商助」に分類する。

生協は有償サービス組織である