でも、世界中で2007年にiPhoneが発売されるより8年も前の1999年から当たり前に携帯でインターネット接続ができた神秘の国が極東にあったことを思い出しましょう。
あれ、電通とか官業由来の大企業とかも入ってて、決して「MBA人材とソフトウェアエンジニア」だけで全部決めてない感じだったのが、ある種の「日本らしさ」としての成功要因になってた部分はあるように思うんですよね。
人手不足という「ワイドショーレベルでも理解できる現実」に対して「じゃじゃーん、こういうソリューションができました〜」ってワイワイ毎回やりながら進めるという迂遠なようなことをちゃんとやるってことが大事なんじゃないかと思います。
アメリカでも自動運転タクシーが群衆に嫌われて炎上させられたりする事例起きてるんで、「さぁてみなさんご一緒に!」みたいな要素がなくなっちゃうと人間社会はダメなんだ、という当たり前の話が徐々に明らかになってきてる時代でもありますよね。
「やるべき事が決まっていて解くべき課題がわかっているものをカイゼンし効率化する」のは日本の得意分野だし、移民を入れまくっている諸外国に比べると切実なニーズが断然あるから、日本がそこで活躍できる可能性は十分あるはず。(坂本さんの本にもまさにそういう話が書かれていました)
ほんと、なんか「めっちゃ絶望的な話」を聞かされるのかと思ったら「妙に希望がある話」に着地して「おや?」ってなった感じの名著でしたね。
それと同時に、今の日本社会でそれぞれの持場で働いている同世代が、「同じようなビジョン」を目指して仕事をしているんだなあ、という「同志に出会えた喜び」みたいなものも感じました。
「雨が降っているからといって傘をさすというのは人間としてどうか」「傘をさせない人のことを考えたことがあるんですか」みたいなそういう事を延々言ってないで「傘あるなら傘さしてくださいよ。あと傘させないタイプの人に傘させるようにしてあげる工夫も一緒に考えましょう」という当たり前の話をプレーンにクリーンに積み重ねていける情勢にどんどん変えていきましょう。