坂本氏の本の中では、今の日本は「人口減少局面のジェットコースターの頂上から少し下ったところで、その加速度の激しさに動揺している」状態だと述べています。こわっ!

なんせこれから毎年、例えば”島根県の人口丸ごと”ってぐらいの人数が減っていくらしいんですよ。

しかも、安倍政権以後の日本というのは、「足りない労働力」を、「老人も女性もみんな働く」事でなんとか持たせてきたわけですが…

そういう「全員参加型経済」をやるのもちょっと限界が来つつある。

今や女性の労働参加率は既にG7でも上位に入っていて近々トップに躍り出る見通しな上に、以下の図のように65−74歳の就業率とか他の国とは別次元に高い。

そうはいっても70代の人が80代になっても働き続けられるかっていうと難しいわけで、ありとあらゆる手段で問題を先送りしてきた課題が一気に噴出してくる様子がわかりますね。

え?既に人手不足って言われてるのにこれがまだ「ほんの入口」状態ってヤバない?っていう感じなんですが、そういう絶望的な話を延々聞かされる本なのかと思って読んでたらそうじゃなかったんですね!

2. 労働力の”売り手市場”化

結果として、日本経済には着実に大きな構造的変化が起きていて、それは要するに「労働者の立場が強くなった(売り手市場化)」してるってことなんですね。

結果として以下のような変化は明確に起きているというデータが分析されていました。

非正規雇用の正規雇用化 非正規雇用の時給上昇 地方・中小企業・エッセンシャルワーカーの賃金の伸びが大きい 大卒初任給も大きく伸びている

あらゆる現象をすべて「ならした」ところの「実質年収」は下がっているように見えるんですが、それは要するにある時期から女性や高齢者も「全員参加型経済」に転換していく中で、「短時間だけ働いている」人のデータが紛れ込んでいるかららしいです。

「時給」はどんどん上がっているのに「平均年収」は下がっているのは、「平均の労働時間」がかなり大幅に減少しているからなんですね。