しかも家族を養っていかなければならないとなると、安定のために好きなサッカーを諦め、一般企業に転職する人も少なくない。それほどまでに、元Jリーガーのセカンドキャリアは厳しい。
Jリーグのセカンドキャリア支援
Jリーグの新入団選手の中でも、セカンドキャリアを意識している選手が増えている。プロ選手としての現実を知り、引退後の人生を安定したものにするための準備を進めているからだ。
Jリーグは2002年にキャリアサポートセンター(CSC)を設立。現役選手のキャリアデザイン支援や、セカンドキャリア支援を担っていた。2010年以降、アカデミーの若手選手やプロ3年目までの選手を中心としたキャリアデザインに重点を置いてきたが、その後、CSCは廃止されることになる。
この原因として挙げられるのが、選手の参加率の低さだ。その理由を掘り下げてみると、選手の引退後のキャリアに対する意識の低さが浮き彫りとなる。CSCは引退を迎えた選手のみならず、現役選手にも門戸を開いていたが、利用する者はキャリアに対する意識の高い選手のみだった。戦力外通告されたにも関わらず、サッカー界という“ムラ”にしがみ付きたいという選手がいかに多いかを物語っている。
Jリーグや選手会が現役選手に提供するセカンドキャリアプログラムは、ビジネススキルやITスキル、社会知識を学ぶことができる。大卒選手は、学業と競技を両立させた経験があり、引退後の社会への適応力が高いと言われている一方、高卒選手は若くしてプロ入りしたため、引退後のセカンドキャリアの準備がより重要視されている。
「現役である以上、競技に専念すべき」は古い
話を諏訪間に戻すと、彼の場合は教職資格を取ったことで、引退後には教師をしながら育成年代の指導者を志すというプランを持っていると思われる。