自分が描いていたサクセスストーリーとしては、ヨーロッパに移籍して活躍し、日本代表に選ばれるというのがありました。でも、それは叶わず、それでも何とか環境を変えたくて…。海外でプロ選手としてサッカーをしながら英語も学べるということで、新しい環境に飛び込みました。是永社長から「お前のために10番を空けてあるから来いよ」と言われたことも胸に刺さりました。
ーY.S横浜時代はJ3の試合にもかなり出場していますが、それまでに経験してきた日本サッカーとシンガポールサッカーにはどんな違いがありましたか?
仲村:まず環境面が全然違いました。シンガポールには天然芝がなくて人工芝ばかり。脚の痛みを感じながらプレーしなければいけませんでした。食事も慣れるまで時間がかかりました。シンガポールに来た初日に、到着が夜中だったこともあり、開いている店がローカルのインド料理店しか見つからずに仕方なく食べたんですが、いきなりお腹を壊してしまって…。真冬の日本から真夏のシンガポールに移動という時期的なこともあって、環境に対応するのに1~2か月かかりました。体重も7kgくらい落ちてしまい、これが海外生活かとショックを受けたのを覚えています。
プレー面に関しては、シンガポールやマレー系の人たちは結構身体能力が高くて…。セパタクロー(足を使ったバレーボールのような東南アジアで行われているスポーツ)の経験者なんかもいるんですが、リカバリーでフットボールテニスをしていると、オーバーヘッドを決めたその脚で着地できるチームメイトもいて、アスリートとしての可能性を感じましたね。
アルビSが「ヒール役だった感は否めない」
ー仲村選手が在籍した2019シーズン当時のアルビレックス新潟シンガポール(アルビS)には、他にどんな選手たちがいましたか?