■1960年代:エチオピア
巨大掲示板「Reddit」には失踪事件について情報を共有するスレッドがある。そこで1960年代にエチオピアで起こったケースが報告されている。エチオピアの政府高官の家族に育った人物が9歳の時に体験した奇妙な出来事を回想しているのだ。
放課後にガブリエルという学友を家に招き、裏庭のテーブルで父を交えて食事をしていた時のことだった。裏庭は高さ3メートルの頑丈なレンガの壁で囲まれており、ガードマンも巡回していた。その壁にガブリエルが近づいていったのだが、目を離した次の瞬間、ガブリエルの姿はどこにもなかったのだ。
ガブリエルの父親はエチオピア軍の将軍であり、まさにあらゆる手を尽くして人々を動員し、ヘリコプターまで飛ばす捜索が行われた。しかし、手掛かりすら見つけることはできなかった。
ガブリエルの突然の“蒸発”に両親をはじめ関係者は希望を失いかけていたのだが、行方不明から6カ月後、なんとガブリエルが裏庭の壁際で発見されたのだ。行方不明となった時とまったく同じ学生服姿で、姿を消した時からわずかな時間しかたっていないような風体であった。ただ、ガブリエルは精神的に混乱している状態であったという。
気を取り直したガブリエルに当然のこと大人たちは、いままでどこにいたのかを問うことになったが、ガブリエルは実に奇妙な話をし始めたのである。
ガブリエルは数人の白人の紳士と旅をしたと話すのだった。ガブリエルは真っ白に輝く部屋の中にいて、その部屋自体が動いて美しい草原やビーチ、大都会の摩天楼などへ一瞬にして連れて行ってくれるのだという。部屋にはほかにもさまざまな国から来た子どもたちがいて、それぞれの国の言葉を話していたが、白人の紳士はどの言葉で話しかけられても受け答えをしていたという。
そしてガブリエルはこの白い部屋にいたのはせいぜい数時間のことで、その後にここに戻ってきたのだと話した。ガブリエルにとってこの6カ月間はわずか数時間であったことになる。こうなるとUFOによる“アブダクション”を連想させる話といえそうだ。
特に当時のエチオピアは宗教的な国であったこともあり、大人たちはガブリエルは悪魔に取りつかれたと解釈し、司祭に悪魔祓いをしてもらったという。ちなみに学業が半年遅れになったガブリエルだったが、その後の勉学にはあまり支障はなかったようで後に物理学で博士号を取得したということだ。