追い打ちをかけたのが、ロシアからの天然ガス供給停止に伴うエネルギーコストの上昇だ。特に電力を大量消費する車産業への打撃は大きい。

脱炭素対応からEV振興に注力してきた環境政党「緑の党」も静観の構えをみせる。9月に独北部エムデンのVW工場を訪れた緑の党のハベック経済・気候相は政治的支援を約束する一方、「問題の大半はVW自身が解決しないといけない」と距離を置く。

EUのEV振興の方向性は変わっていない。7月に2期目が決まったフォンデアライエン欧州委員長は35年にエンジン車の新車販売を原則禁止する方針について堅持を明言した。だが、欧州では脱炭素に伴うコスト増や製造業の低迷に反発する層が極右・極左のポピュリズム政党の支持へと流れる現象が起きている。

率直に申し上げて、欧州の大得意の世論を誘導して欧州の都合いいようにルール変更しようとして大失敗したという話です。

クリーンディーゼルは偽装が暴露され、ハイブリッド車では日本にかなわない。そこで二酸化炭素増大で地球が危ない!と世論を操作、誘導してEVにしないと地球が滅ぶと騒ぎ立てて無茶なEV化を進めたわけです。

「頭の大変よろしい」モスボールJSF君などは技術予測は難しいと言ってましたが、この件に関しては簡単な話です。頭が悪い日経の記者が書いた記事を鵜呑みにしているようでは騙されたでしょう。

まともな常識があれば予想は可能でした。ぼくは以前からEVの極端な推進は破綻すると申し上げてきました。これは90年代から今世紀初頭に装甲車は装輪が主流になるというのと同じぐらい予想は容易な話でした。この件も「事情通の軍オタ」さんたちは、ぼくが装輪車が主流になると書いていたら、こぞって反論、嘲笑していました。それは願望ありきで予想をするからです。

前提条件として地球の温暖化の原因が工業や生活による二酸化炭素の増加であるという科学的なエビデンスはない。一部の環境派の科学者や活動家、それに乗ったメディア、特にリベラル系メディアなどが「緑の紅衛兵」と化して反論を封じてきて、それが「事実」であるかのように喧騒してきた。