鏡に映る自分の体を見て、自信満々でいられる人はそう多くありません。
自分を「脂肪の多い体」「ガリガリな体」「短い足」「大きな頭」だと考え、他の人と比べて恥ずかしく感じたことがあるはずです。
カナダのトロント大学(University of Toronto)に所属するジュディス・ベック氏ら研究チームは、自分の体に対するネガティブなイメージが、運動に関連した学習能力や遂行能力を低下させると報告しました。
自分を「恥ずかしい体」だと感じてしまうと、良いパフォーマンスを発揮できなくなってしまうのです。
研究の詳細は、2024年9月26日付の学術誌『Body Image』に掲載されました。
目次
- 恥ずかしさが及ぼす悪影響
- 恥ずかしい体は運動のパフォーマンスを低下させる
恥ずかしさが及ぼす悪影響
私たちは、自分の外見を恥ずかしいと感じたり、逆に誇らしいと感じたりします。
そしてその感情は、私たちの行動に大きな影響を及ぼすことでしょう。
例えば、自分の外見を恥ずかしいと思っている人は、人前に出ることを嫌い、外出の頻度が減るはずです。
逆に、自分の外見に自信が持てれば、人前に出ることを好み、外出の頻度が増えることでしょう。
では、「恥ずかしさ」や「誇らしさ」が、人の行動だけでなく、その人の能力や成果に影響を及ぼすことはあるのでしょうか。
その可能性は大いにあります。
1998年に行われたミシガン大学(University of Michigan)の研究では、衣服による「恥ずかしさ」で、学業のパフォーマンスにどのような影響が出るのか調査しました。
その研究では、水着を着た女性は、セーターを着た女性と比較して、羞恥心レベルが高く、数学の成績が悪いと判明しました。