著者2人のうち、1人が第一部、もうひとりが第二部を書いており、目次を見て、第一部はアルゼンチンの歴史やミレイの政治遍歴、第二部が自由主義思想の話、だとわかったので、私は第二部から読み始めました。
アルゼンチンの歴史やミレイ個人の話よりも、自由主義思想に興味があったからです。
第二部の序盤に、
「ミレイが登場する前は、アルゼンチンではリバタリアンは全員が知り合いなほど、ごく少数だった。その中でもオーストリア学派の人は、さらに少数だった」
という内容の文章を見つけ、衝撃を受けました。
国民による選挙で、リバタリアンを大統領に選んだくらいだから、相当多くの自由主義者がいる国なんだと私は思い込んでいました。でも意外なことに、そんなアルゼンチンでも数年前までは、リバタリアンもオーストリア学派支持者も、そんなに少なかったなんて。
日本に自由主義を広げたい、という思いで活動している私にとって、勇気をもらえる文章でした。
というのも、「自由主義を広げたい」といっても、なかなかうまくいかないことが多いからです。
言論人としても政治家としても、ミレイはある種の天才だと思いますが、日本にも、こんな天才が現れたり、なにかのきっかけで自由主義が急に受け入れられたりするかも、と希望が持てました。
そんな感じで、読み始め冒頭からすぐに、非常に興味を持てた本でした。(まあ、翻訳機による機械訳なので、アレな部分も多かったですが)
でも、すぐに「この本を日本語に翻訳して、本を出版したい」と思ったわけではありません。
私個人としても、自由主義研究所としても、本の出版は経験がなかったですし、そうでなくとも、アルゼンチンの出版社のスペイン語の本なんて、どうやって翻訳すればいいのか検討もつかなかったからです。
で、このすばらしい内容で私に勇気をくれた本は、とりあえず第二部の途中まで読んで、その後、しばらく忘れていました。