他国と比べると停滞傾向が強く、近年では他の主要先進国とも大きく差が開いている状況です。

イタリアは2000年頃からやや低下しているのが印象的ですね。

ロシア、中国、インドも上昇傾向が続いていますが、日本との差はまだ大きいようです。ブラジルは横ばい傾向が続いているようです。

韓国は大きく上昇していて、2019年からは日本を上回ります。

それ以外にも、特徴的な国々を追加しています。

イスラエルは1991年の時点では日本とほぼ同じ水準でした。

それが1996年頃には日本を上回り、2023年にはイタリアやフランスを超えています。

台湾、トルコは1991年の時点では日本を大きく下回る水準でした。

その後の上昇傾向は大きく、台湾は2007年、トルコは2019年に日本を上回っています。

ルーマニアも1991年の時点では日本を大きく下回っていましたが、2023年にはかなり肉薄しています。

日本は徐々に国際的にも劣後しつつある状況と言えそうです。

6. 労働者1人あたりGDPの特徴

今回は、ILOの統計データから労働生産性の指標である労働者1人あたりGDPの国際比較をご紹介しました。

普段OECDの統計で、欧米諸国のデータばかりをご紹介していますが、シンガポールや台湾、香港、ブルネイなどアジア圏でも日本や欧州諸国よりも労働生産性が高い国が存在するようです。 アジア地域では労働生産性の高い国々と、100位以下の比較的低い国で分かれているような特徴もありそうです。

更に、中東諸国でも主に産油国においては労働生産性の高い国が多いようです。

ガイアナやプエルトリコなど、中南米で労働生産性の高い国などもあり大変興味深い統計データと思います。

日本の順位は世界でも高い方にはなりますが、46位と東欧諸国と同じくらいの水準です。

1990年代には低い水準だった国々にも大きく追い上げられている状況のようです。

皆さんはどのように考えますか?