ILOを始め、IMF、OECD、世界銀行、国連などの国際機関では、購買力平価によるドル換算値が主流となっているようです。
まずは、2023年の労働者1人あたりGDPの国際比較から見てみましょう。
普段はOECDのデータばかりご紹介していますので、OECDに含まれない中東諸国やシンガポール、香港などの高所得国がどのような順位なのかも気になります。
まずは上位の1~50位です。
図1が2023年の労働者1人あたりGDPのうち、上位50か国の国際比較です。
G7各国に加えて、地域ごとに色分けしてあります。
欧州:青、アジア・大洋州:橙、中東・CIS:黄、中南米:緑、アフリカ:ピンク
上位はやはり欧州諸国が多いですが、アジア・大洋州、中東諸国でも多くの国がランクインしています。
特にシンガポールは17.3万ドルと世界3位の労働生産性となっています。
アジア圏ではマカオ(14.2万ドル)、香港(12.3万ドル)、ブルネイ(12.0万ドル)、台湾(11.1万ドル)などが高い水準で、韓国(8.3万ドル)、日本(8.0万ドル)が続きます。
産油国としても知られるカタール(13.2万ドル)、サウジアラビア(11.4万ドル)、UAE(11.3万ドル)もかなり高い水準です。
主要先進国ではやはりアメリカの水準が高く、13.1万ドルで世界8位です。
イタリア(10.9万ドル)が21位、フランス(10.9万ドル)が22位、ドイツ(10.5万ドル)が25位、カナダ(9.5万ドル)が32位です。
日本は46位となり、スロベニア、チェコなどの東欧諸国やギリシャ、ニュージーランドなども下回り、クロアチア、ルーマニア、ポルトガルと同じくらいの水準となります。
世界187の国と地域の中で46位ですので上位と呼べる順位ではありますが、1991年で37位だったことと比べると国際的な順位は低下している事になります。
- 労働者1人あたりGDP 51~100位