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国際労働機関(ILO)の統計データから、世界各国の労働生産性について国際比較してみます。

1. ILOとは

前回までは、IMFの統計データから、1人あたりGDPの国際比較をしてみました。

日本は欧米を中心とした先進国の中ではかなり低い水準となりますが、世界の中ではまだ上位40位以内に入っているようです。

相対的な順位は低下していますので、今後の推移が気になるところですね。

今回から、国際労働機関(ILO:International Labour Organization)の公開している労働生産性の国際比較をしていきたいと思います。

ILOのウェブサイトによれば、ILOとは次のような機関になるようです。

国際労働機関(ILO)は、社会正義と国際的に認められた人権および労働者の権利の促進に尽力しており、社会正義は普遍的かつ永続的な平和に不可欠であるという設立当初の使命を追求しています。唯一の三者構成の国連機関であるILOは、1919年以来、187の加盟国の政府、雇用主、労働者を結集し、労働基準を設定し、すべての女性と男性に適切な労働を促進する政策を策定し、プログラムを考案しています。

ILOの統計サイト(ILOSTAT)では、賃金や生産性、労働時間、格差に関する世界各国のデータが公開されています。

今回は、この中から労働生産性(Labor productivity)の国際比較をご紹介します。

2. 労働者1人あたりGDP 1~50位

ILOで公表される労働生産性には、労働者1人あたりGDP(Output per worker)と、労働時間あたりGDP(Output per hour worked)の2種類が公開されています。

公開されている数値は実質の購買力平価換算値(GDP constant 2017 international $ at PPP)です。

分母となるGDPは実質値で、2017年の購買力平価でドル換算した数値という意味になると思います。