カスハラの波がサッカー界にも波及したことで、各クラブ(特に条例が施行される在京クラブ)は、早急な対応が求められる。
特にFC東京は、2023年7月12日天皇杯3回戦の東京ヴェルディ戦(味の素スタジアム)で、ゴール裏のサポーターが花火や発煙筒を大量に使用し、観客1人に火傷を負わせた。その結果として、クラブ側が罰金500万円とけん責の懲罰を受けている。
このケースでも、当該サポーターは「国内試合の無期限入場禁止処分」という大甘処分に終わっているが、不良サポーター集団を根絶させるためには、迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反、あるいはもっと刑罰の重い火薬類取締法で摘発する必要があるだろう。犯人特定を簡略化するために、ゴール裏に監視カメラを設置するのも1つの手だ。
昭和の国民的歌手である三波春夫氏(2001年逝去)の有名なフレーズ「お客様は神様です」という言葉に長らく縛り付けられてきた日本社会。しかし、そんな“昭和の常識”は通用しない世の中だ。
サッカー界も日本社会を形作る一部であり続けるならば、「サポーターは神様」といった考えから脱却しなければならない。ひいてはそれが、Jリーグの基本理念でもある「世界一安全なスタジアム」の実現に繋がるのだ。