2024シーズンの明治安田J2リーグを10勝13分け15敗の16位で終えた大分トリニータ。しかし、11月3日に行われた第37節のホーム最終戦のザスパ群馬戦(レゾナックドーム大分)で、2-1で勝利したにも関わらず、ある問題が起こった。
同試合後、一部サポーター集団から「小沢(正風社長)、もうトリニータ好きじゃないだろ」などといった横断幕が掲出されたのだ。これを受けて11月27日、大分のフロントは公式サイト上で声明を発表。「特定の個人を侮辱し人格を否定するような横断幕」が掲示されたことに触れ、「カスタマーハラスメント事案に対する意見・対応について」と題された。
声明では、横断幕に加え、名誉棄損のSNS投稿も指摘し、「愛するあまりの行動とはいえ、決して正当化できる内容ではありません」と前置きした上で、「明らかに当クラブ指針における『カスタマーハラスメントに該当する行為』として掲げている『監督、選手、従業員に対する侮辱的発言・文章』及び『監督、選手、従業員の人格の否定や名誉を棄損する発言・文章』である」と非難している。
さらに具体的な対応については「今後、同様の行為が行われた場合は、横断幕の撤去及び当該横断幕掲示に係った者の試合会場入場禁止等の措置を取らざるを得ない」と述べ、SNS上の誹謗中傷についても「今後は、書き込まれた内容によっては、法的措置を含めた対応を行う場合がある」と、毅然とした対処をしていくことを強調、宣言した。
予兆はあった。9月7日の第30節ホームのモンテディオ山形戦で0-3と完敗すると、サポーターの怒りが爆発。試合後、片野坂知宏監督と小沢社長がゴール裏に呼び付けられ、怒号が飛び交う中で状況説明と謝罪に追い込まれた。片野坂監督は「現場の責任者は俺なので、(チームの結果に関する批判は)俺に向けてください」と呼び掛けた。