シャチの世界で”80年代ファッション”が再燃しているようです。
今から40年近く前、アメリカ西海岸沖のシャチ集団にて「サケを帽子のように被る」奇妙な行動が流行しました。
正確には死んだサケを頭の上に乗せるのですが、この流行は5〜6週間続いた後でパッタリと消えてしまいます。
ところが野生シャチの保護団体「Wild Orca」らの調査により、今年10月に再び「サケ帽子」を被ったシャチが目撃され始めたのです。
なぜシャチたちは死んだサケを頭に乗せているのでしょうか?
目次
- 80年代に流行した「サケ帽子」ファッション
- 「サケ帽子」の流行が再燃か?
80年代に流行した「サケ帽子」ファッション
シャチは自然界の中でも非常に賢い動物です。
その高い知能やコミュニケーション能力、複雑な社会構造から、シャチはしばしな私たち人間と奇妙な類似を示すことがあります。
例えば、シャチは小さな群れで堅固な社会を作っているので、他の群れと出くわしても言葉を交わすこともなければ、特に交流することもありません。
また住む海域によって食べるものも違い、アザラシなどの海洋哺乳類を食べることもあれば、サケだけを食べるグループもあります。
私たちも街中ですれ違う他の家族といちいち交流はしませんし、食文化も地域ごとにまったく違いますよね。
このようにシャチには人間に近い習性がたくさんありますが、中でも最も面白く、かつ不可解なものの一つが80年代に流行した「サケ帽子ファッション」です。
この流行は1987年の夏に、米国ワシントン州の西海岸沖にあたる「サウス・プジェット・サウンド(South Puget Sound)」という海域に棲みつくシャチの一群においてのみ見られました。
最初はメスのシャチが死んだサケを頭の上に乗せ始めたのが目撃され、その奇妙な光景が瞬く間に他の仲間へと伝播していったのです。