■ 「訓練の主役は子ども」通常の避難訓練とは一線を画す内容が興味深い

 「対ゾンビ避難訓練」で記者が最も興味深いと感じたのは、訓練を主導するのが子どもたちである、という点です。

 通常、学校など大人と子どもが両方いる場所での訓練は、大人主導のもとで進行していきます。知識・経験ともに豊富な大人が主導するのは、冷静かつ迅速な対応が求められる非常事態では当然のことと言えるでしょう。

 その一方で、子どもたちが大人の指示待ちになってしまう、ということを懸念に感じています。

 自然災害を含めた非常事態はいつどこででも起こり得ます。当然子どもたちだけでいる場合にも。

 その際に「大人がいないからどうすればいいか分からない」とパニックになって避難が遅れてしまう、負傷者が出てしまう、となる可能性は高そうです。

 子どもたちが自分から動かなければならない、という決してありえなくはない事態への備えとして、「対ゾンビ避難訓練」は最適ではないでしょうか。

 ゾンビを題材にすることで子どもたちの興味関心を引き、かつ「大人よりも子どもたちが率先して動けるシチュエーション」を作りあげているため、子どもたちによる主体的な避難行動を促す訓練として、有意義な内容になっていることが想像できます。

 なお市によると、本訓練はあくまで地域住民や防災関係機関を対象にしているため、現状は市外の人が「対ゾンビ避難訓練」に参加することはできませんが、見学することは可能とのこと。

 しかしながら担当の方から一通りお話をうかがってみて、「対ゾンビ避難訓練」について、新しい視点を備えた革新的な訓練だと感じました。

 八戸市の事例を参考に、色物ではなく真剣な試みとして、各地に広まっていって欲しいと思っています。

<記事化協力・画像提供>
八戸市災害対策課

<参考・引用>
・Prepare for All Types of Disasters, Including Zombie Apocalypse(2017年10月/ILLINOIS.GOV Press Release)

(ヨシクラミク)

提供元・おたくま経済新聞

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