こちら、もともと『ミステリウム』という「面白いけど長い!」ヒット作があったのを、簡略化し、持ち運び可能なサイズにしたもの。

シンプルに言うと「絵で絵を伝える」ゲームです。『ボードゲームで…』で三宅香帆さんに紹介していただいた『ディクシット』は「絵にタイトルをつけて、そのタイトルに合いそうな絵を出す」、つまりイメージ→ 言語→ イメージの順で会話するゲームでしたが、本作はイメージオンリー。

舞台はアメリカを巡回するサーカスですが、親(お題を出す人)、つまりサーカスの団長は殺されて最初から死んでいるんですね。なので口がきけず、ジェスチャーも一切禁止で、イラストが描かれたカードを渡すことでしかコミュニケーションできません。

子(答える人。1~5人)はサーカスを訪れた霊能力者で、親からイメージのみのヒントカードを渡される――それぞれの水晶玉に「殺された団長からのメッセージが浮かび上がる」んですな。それを手がかりに、適切な関係者を訪れて証言を取り、犯人に迫っていく(ヘッダー写真)。

「この人を訪ねて!」というメッセージを託して、親はカードを渡しますが、枚数が悩ましい。ずばり1枚で「正解はレジ店員だぞ!」と示せれば楽だけど、そんなチャンスはまずない。さらに、渡した分しか親はカードを新たに補充できないので、なるべく多く渡して手札を入れ替えたいけど、何枚も渡されると子が混乱してしまう。