全ての宗教団体は、中国共産党による「宗教の中国化」、すなわち社会文化を中国風に形成する努力を支持することが義務付けられており、宗教団体には信者に愛国的な教育を提供することが求められている。政府の方針に従うことを拒否する教会指導者や信者は、しばしば嫌がらせを受けたり、拘束されたりする。ちなみに、中国共産党は香港に対する支配を強化し、国家安全法を制定した。この法律は、香港における「宗教の自由」の将来に対する懸念を引き起こしている(「習近平主席の狙いは『宗教の中国化』」2020年6月12日参考)
<特記事項> 2023年9月・・2005年に策定された「宗教活動場所管理に関する措置」の改正が施行され、宗教活動場所に対し、中国共産党の指導を支持し、宗教の「中国化」を推進する義務を課した。この措置では、説教が「社会主義の基本価値観」を反映し、「伝統的な中国文化」と統合される必要があると定められている。
2024年1月・・中国の治安部隊は、2023年12月中旬から2024年1月初めにかけて、温州の司教であるペーター・シャオ・ジューミンを複数回拘束した。同司教は中国カトリック愛国会への参加を拒否し、自身の教区での司祭の異動や教区の分割といった中国共産党が指示した変更に抗議した。
2024年3月・・「宗教の自由」に関する専門家は、香港の新国家安全法(香港基本法第23条の実施)が、告解の秘義の守秘義務に深刻な影響を与える可能性を懸念している。香港執行会議のロニー・トン氏が、国家安全に関する犯罪を告解で聞いたにもかかわらず報告しない司祭が起訴される可能性を示唆している。この法律により、国家反逆を知りながら報告しなかった場合、最大14年の懲役刑が科される。これに対し、香港カトリック教区は声明を発表し、この法律は「告解の守秘義務を変更しない」と述べている。
2024年4月・・内モンゴル自治区の裁判所は、当局に登録されていないプロテスタント系家庭教会のために聖書を販売したとして、キリスト教徒のバン・ヤンホンに5年の懲役刑を言い渡した。
北朝鮮編