また禁酒法は「反抗の飲酒」も引き起こしました。
現在でも社会への反抗の一種として酒を飲んでいる未成年者がいるように、この当時でも一部の若者や女性たちが、この法律に抗うように積極的に飲酒に走りました。
一方、エリート層や富裕層の飲酒は、あたかも「見せびらかし消費」のように報道され、禁酒法の失敗を示す証左とされたのです。
結局、禁酒法はその成功も失敗も、それをどう見るかによって大きく姿を変える怪物でした。
それは経済的に困窮した時代のスケープゴートとなり、メディアや政治の操作を受けて、その評価が左右される存在だったのです。
その余韻は、今なおビールジョッキの泡とともに、歴史の片隅で語り継がれています。
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参考文献
第10号(1987年6月(S62年)発行) | 産業研究所所報 | 研究・社会連携 | 大阪産業大学
https://www.osaka-sandai.ac.jp/research/results/10.html
ライター
華盛頓: 華盛頓(はなもりとみ)です。大学では経済史や経済地理学、政治経済学などについて学んできました。本サイトでは歴史系を中心に執筆していきます。趣味は旅行全般で、神社仏閣から景勝地、博物館などを中心に観光するのが好きです。
編集者
ナゾロジー 編集部