ある災いが続くことを「前門の虎後門の狼(ぜんもんのとらこうもんのおおかみ)」と表現します。
しかし、この言葉はそもそもどのような意味なのでしょうか。
今回はそんな「前門の虎後門の狼」の意味を解説します。
併せて「前門の虎後門の狼」の由来や類義語も紹介します。
目次
・「前門の虎後門の狼」とは
・「前門の虎後門の狼」の意味
・「前門の虎後門の狼」の由来
・「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」とは意味が異なる
・「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」の意味
・「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」との違い
・「前門の虎後門の狼」の類義語
・一難去ってまた一難
・追う手を防げば搦めて手が回る
・まとめ
「前門の虎後門の狼」とは
ここでは「前門の虎後門の狼」の意味を解説します。
「前門の虎後門の狼」の意味
「前門の虎後門の狼」は、1つの災いを逃れても別の災いに遭うことの例えです。
基本的に1回だけ災難に遭遇することを「前門の虎後門の狼」とは表現しません。
あくまでも、続けて災難が訪れることを表現した言葉となります。
そのため、2回以上の災難が立て続けに起こるような場面で使用すると覚えておきましょう。
現代でも「1つの災難から身を守っても他の災難が現れるもの」という意味で使用されます。
「前門の虎後門の狼」の由来
「前門の虎後門の狼」は「趙弼-評史」が由来とされています。
「趙弼-評史」は後漢王朝時代に権威を振るった皇后の一族を宦官(皇帝の側近)が追い払った事件などについて記した歴史書です。
そこで彼は「ことわざで言うところの『前門拒虎、後門進狼(前門に虎を拒ぎ、後門に狼を進める)』というものだ」と述べています。
中国では古くからこのことわざが使用されており、災難が続くことを「前門の虎を防いだと思うと今度は後門から狼がやってくる」と表現します。
転じて、現代では災難が続くことの表現として動詞を省略し「前門の虎後門の狼」という言葉を使用するようになったのだとか。