会計を済ませ席に座り食べてみると……「これはうまい」。さっぱりとしたローストビーフ。パリッとしたレタス。甘味のあるトマト。程よい塩味のドレッシング。これを「毎日店で焼くパン」が引き立てる。食べ終わったときのボリューム感は腹8分といったところ。それもそのはず。カロリーはわずか309キロカロリーしかない。

「物足りない」と不満か。それとも「ヘルシー」と満足か。ここでも前者が離脱する。

残った層がサブウェイファンだ。このファンの数が店舗数に反映される。

筆者撮影

ワタミの出店計画

現在、サブウェイの店舗数は185店※1)。対して、マクドナルドは2,978店。すき家は1,954店。モスバーガーは1,312店。文字通り桁が違う。サブウェイは世界ではファストフード界の「リーダー」だが、日本では「ニッチャー(※)」でしかないのだ。

※ ニッチャー:特定の領域で独自の地位を築いている企業

185店から3,000店へ。ワタミはどのように店舗数を増やそうとしているのか。

ワタミの出店計画では、24年度の目標店舗数は180店。25年度は215店(35店増)、26年度は265店(50店増)、と現実的な目標が続く。だが、27年度以降は、毎年100店ずつ出店し、34年には1,065店に到達させるという「挑戦的」な目標に切り替わっている。

目標達成に必須なのがフランチャイズだ。はたして、フランチャイズ加盟店(フランチャイジー)にとって、サブウェイは魅力的なのか。強みと弱みで考えてみよう。

サブウェイの強み

サブウェイの最大の強みは抜群の知名度だ。全世界で37,000店舗。知らない人はほとんどいない。高い知名度にもかかわらず、国内に185店舗しかないことは、「伸びしろがある」とアピールできる。加盟を検討している事業者にとって大きな魅力だ。

もうひとつの強みは、初期コストが低いことだ。

サブウェイは、調理に火や油を使わない。具材はパンに挟むだけだし、ポテト(コロコロポテト)はオーブンで焼いている。だから、狭くても出店できる。