見どころ1. サン・ロケ教会のダイヤモンド・ポイント
ここからはリスボンの観光名所の中で、印象的だったアズレージョをご紹介します。
まずバイロ・アルト地区の「サン・ロケ教会」は、1584年に天正遣欧使節が滞在した教会として、日本人観光客が多く訪れる場所。イエズス会の教会です。
マニエリスム様式、バロック様式、ロココ様式などの装飾で華麗に彩られた教会の内部は、植民地のブラジルで取れた金をふんだんに使い、豪華絢爛。ひとつひとつの礼拝堂が、目もくらみそうな輝きを見せています。
そんな中で入口や内陣の横の壁を見ると、紺・黄色・白を基調とした複雑な模様のアズレージョに目を惹きつけられます。こちらは「ダイヤモンド・ポイント」と呼ばれるパターンの16世紀のアズレージョ。
繊細でありながら素朴な雰囲気を漂わせる絵タイルに、これを作った人々の手のぬくもりまで感じるような気がしました。豪奢な礼拝堂とともに、ぜひ見ておきたいアズレージョです。
サン・ロケ教会(Igreja de São Roque)
- 住所:Largo Trindade Coelho, 1200-470 Lisboa
- 営業時間:火-日曜 10:00~18:00(月曜 13:00~18:00)4,9月は10:00~19:00
- 料金:無料(付属美術館は€2.5)
- 公式サイト:付属美術館
見どころ2. ジェロニモス修道院の黄色と青のアズレージョ
リスボン中心部から6kmほど西にあるベレン地区には、大航海時代を象徴する歴史的建造物の数々があります。中でも代表格は「ジェロニモス修道院」。
世界史の教科書でおなじみのエンリケ航海王子とヴァスコ・ダ・ガマの偉業をたたえ、新天地への航海の安全を祈るために、1502年にマヌエル1世によって着工されました。
巨大で壮麗なこの建物は、外壁や回廊など至るところに、航海のモチーフの彫像があしらわれています。船や天球儀、ロープ、サンゴ、海の生物など...。とりわけ回廊の柱の装飾は美しく、細部まで見入ってしまいます。
回廊の一角には、修道士の食堂として使われていた部屋があります。こちらの壁をぐるりと彩るアズレージョが印象的!石で出来た太いロープの彫刻の下に、青と黄色と小豆色を使ったタイルで、聖書の場面や美しい花々を描いているのです。
これらのアズレージョは、1780年~85年に作られたもの。部屋の北端には新約聖書の「パンと魚の奇跡」が、側壁には旧約聖書の「エジプトでのヨセフ」の場面が描かれています。
明るい黄色と冴えた青色を大胆に使った絵タイルは、はっと目を引く鮮やかさ。多くの観光客が、お気に入りの場面の前で写真を撮っていました。優美な回廊とともに、必見の部屋です。
ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)
- 住所:Praça do Império 1400-206 Lisboa
- 営業時間:9:30~18:00
- 休日:1/1、聖日曜日、5/1、12/25
- 料金:€12.75
- 公式サイト:ジェロニモス修道院