では金利。多くの方は「金には金利がつかないじゃないか?」と言います。では私が聞き返します。「皆さんは普通預金にお金を預けていないのですか?」と。日本では金利が上がったといっても普通預金金利は0.02%です。100万円で年200円。振込手数料にもならないのに金利がつかないということを声高に主張されても困ります。ましてやタンス預金はなおさらであります。
「わかった、お前は金には価値があると言いたいのだな、そこまでは妥協しよう、しかし、ビットコインはいかんぞよ、あれは海のものとも山のものともつかないじゃないか」と。
私の答えはこうです。金はモノなのです。女性が大好きな18Kのネックレスとか金細工が施された腕時計、更にはメープルリーフ金貨といった「金銀財宝」は所有欲を搔き立てます。ところがビットコインは抱きかかえて寝るわけにはいきません。「持っているような、持っていないような」ですが、私は製造業とサービス業の違いぐらいに捉えています。製品としての金、サービスとしての仮想通貨です。それこそ電車に乗れるパス、飲食店利用券、遊園地の乗り放題パスといったものと同じです。パスは首から下げるじゃないか、と言わないでください。我々が飛行機に乗るときは今や搭乗券なんてなくてスマホのQRコードを読み取りですよね。
ではお前はなぜ、仮想通貨や金が今後も輝くと思うのか、と聞かれるでしょう。私の答えはこうです。
「お金を投資したくなる器が無くなった、だから人工的に作り出す必要があるのだ」と。思い出してください。アメリカのFRB議長だったベン バーナンキ氏はヘリコプターマネーを推奨しました。中央銀行はお金を刷りまくれ、と。もちろん、これは世の中の経済の潤滑油としての意味でした。しかし、これで大きく潤った人と引き続きかつかつの人が生まれたのです。これが1%と99%の根本問題のひとつ。私がマネタリストの経済学の時代はもう終焉していると何度も申し上げたのはその副作用をずっと無視したからです。