儀式と病気治療のための秘薬
サウスフロリダ大学(USF)の教授であるダヴィデ・タナシ氏は、この混合物は「予言的な夢」を見たいと願う病人が飲んでいたと考えている。タナシ氏は「現時点で、向精神薬がベス崇拝に関連する『インキュベーション儀式』に使用されていたことは100%確実だ」と述べている。「インキュベーション儀式」とは、人々が聖なる場所で眠り、神からの夢を受け取り、癒しを得る宗教的慣習である。約2000年前、ベスは守護、豊穣、医療、魔術的な浄化の神として崇拝されていた。
今回の研究で分析されたベス容器は紀元前2世紀のもので、フロリダ州タンパ美術館のコレクションの一部である。この容器は古代エジプトで豊穣と動植物の豊富さで知られるカイロ南部のファイユーム地区で発見されたとされている。