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クロカンらしいのはカタチだけで十分!クロスオーバーSUV誕生
「RV=SUV?」を印象付けてしまった1990年代
クロカンらしいのはカタチだけで十分!クロスオーバーSUV誕生
クロカン4WDの中でも、主に都市部での用途をメインにした「シティオフローダー」という用語が一般的になったのは初代スズキ エスクード(1988年)あたりからですが、エスクード自体はラダーフレーム式の本格オフローダーで、アッサリした外観に仕上げただけ。
むしろ真のシティオフローダー、カタチだけで悪路走破性はクロカンに全く及ばない(駆動システムというより、フルモノコックボディがそれほど頑強ではない)クロスオーバーSUVが登場したのは、1990年代RVブームからでした。
トヨタの初代RAV4(1994年)もそれなりにヒットしましたが、本命は翌1995年発売の初代ホンダ CR-V。
一見してタフなクロカン「っぽい」デザインでありながら、シビック系のプラットフォームを使ったフルモノコックボディに駆動方式はFFまたはデュアルポンプ式リアルタイム4WD…つまりただの生活4WDでしかなく、大径タイヤと最低地上高の高さを除けば、悪路走破性は全く期待できません。
しかし代わりに快適性、操縦性はシビック系そのもので、重たいだけで都市部では役に立たないクロカン用装備もないので動力性能や燃費も十分、この「クロカンのカタチをした普通の乗用車」こそユーザーの求めていた真のSUVで、大ヒット作となりました。
RAV4の都会派路線も、より大型高級のラグジュアリーSUV、初代トヨタ「ハリアー」(1997年)に発展していき、真のオフロードユーザーを除けば無駄が多く不経済だったクロカンを駆逐し、現在まで世界的に続くSUVブームの先駆けとなったのです。
「RV=SUV?」を印象付けてしまった1990年代
RVとは今で言うSUVのことですよね…というイメージを持つ人が多いのは、単にユーザーのカンチガイというだけではなく、メーカー側にも「そういうノリ」がありました。
大抵のRV車、クロカンやクロスオーバーSUVに限らず、ミニバンでもステーションワゴンでもトールワゴンでも、アニマルバーやバンパーガード、背面スペアタイヤをオプションや特別仕様車で準備して「RV仕様」としましたから、「RVとはそういうゴテゴテしたクロカン風の装飾がつきもの」だったのです。
しまいには普通のハッチバック車や5ドアセダンにまで「RV仕様」が登場したので、後々に至るまで「RV=SUV?」というイメージがついたのは、当時のメーカーにも責任があります。
ただ、当時の立体駐車場などで「RV車お断り」とある場合、おおむねハイルーフ車やルーフレールつきで全高1,550mmを超えるクルマを指しており、「クロカンでもないのに駐車場で断られた!」とクレームがつく珍事も当時はありました。
なお、この全高1,550mmという制約は、新しいタワーパーキングだとだいぶ余裕があるものの、古い施設では今でも存在するため、「駐車場に困らない全高1,550mm」というのは、ロールーフ車である基準として有効です。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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