これらの条件に適う案件として、本書ではウクライナとコロナワクチンを取り上げたわけであるが、これを読んで私は、真っ先に「気候変動問題」を思い浮かべた。2から6まで、全部ドンピシャで当てはまるではないか。ただし1については、「実際には危機でもないのに危機が切迫していると宣伝された」と修正したいのだが。
ウクライナ危機におけるメディアの片面性本書第1章は、ウクライナ危機をめぐる半ポスト真実的状況を、10節に分けて紹介している。個々の節内容は長くなるので省略するが、ドンバスの内情、アゾフ連隊、ブチャ虐殺問題など、ウクライナをめぐる主要な問題が網羅され、それぞれ主要メディアの主張と、それに反する見解の存在が紹介されている。この章だけで引用・参照文献は122件あり、各節平均10件以上になる。