また微小重力が鞭毛運動の効率低下を引き起こしている可能性も考えられています。
いずれにせよまだ、微小重力が精子の運動機能や活力を低下させる明確なメカニズムを明らかにできていませんが、私たちが宇宙空間に行くとフワフワ浮遊してしまうように、精子も微小重力下ではぐだぐだになってしまうようです。
チームは次なるステップとして、この微小重力が精子に及ぼす影響の科学的メカニズムを明らかにしていきたいと考えています。
今後、人類が地球以外のどこかに居を構えて、新たな繁栄の道を切り拓くには、安定した出産プロセスの確立が必要不可欠です。
ただこの問題が解決されない限り、宇宙旅行でできちゃったというニュースを聞くことはなさそうです。
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参考文献
Exposure to Microgravity Seems to Seriously Disorient Human Sperm
https://www.sciencealert.com/exposure-to-microgravity-seems-to-seriously-disorient-human-sperm
元論文
Decreased human sperm motility and vitality after fast gravity load changes in a parabolic flight
https://doi.org/10.1016/j.actaastro.2024.07.050
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部