ーーーほかにも、ワカヤマならではの魅力があれば教えてください。

若山:世界中のトップデザイナーに鍛えられた色彩を作り出す技術と感性が、私たち鯖江の表面処理メーカーの強みだと思っています。

「ブランドイメージを一新したい」「とにかく売上をアップしたい」そのようなお客様の幅広い悩みを、色の力を使って解決しています。

ある日、顧客から寄せられた悩みは「製品をインスタ映えさせたい」でした。本来だと、メッキの会社に来るような相談内容ではありませんよね。

でも、我々が綿密なヒアリングと試行錯誤を行った結果、いままで黒色が当たり前だったとある製品は「明るいピンク」をまとったものへと変化を遂げました。

すると、常識破りの“色”にエンターテインメント性を感じた層からの支持が集まり、製品の売上が何倍にも膨れ上がったそうです。これはまさに、“色”で物の価値が変わった瞬間ですね。


「長い歴史のなかで洗練された物の価値」を一新するには、“色”を変えるのも一手と語る若山さん


数万通りもある調色パターンからニーズに合わせた色を生み出し、色による付加価値を生み出すことが可能

“色”がもつ可能性を広げる旅へ

ーーーワカヤマでは、常に「塗装・メッキ」に関する最新の研究をおこなっていると聞きました。

若山:はい。多様な要望に効率的、かつ幅広く応えられるようにするため、ロボットなどを積極的に活用しています。


【BEFORE】リノベーションをする前のデザインセンター


【AFTER】デザインセンターでは、日々塗装に関する最新機器の研究がおこなわれています

ワカヤマは「この製品は人の手でしかできない」と言われているものでも「本当にそうかな?」と疑問を持ち、世界に目を向けながら解決できる手段を探し続けています。

実際に、海外・日本製の部品を組み合わせて、これまでにない微細な挙動ができるロボットの実現にも成功しました。