評価:★★☆☆☆/続投可能性:100%

ヴァンフォーレ甲府は、2022年の天皇杯優勝によってACL(AFCチャンピオンズリーグ)2023/24に出場しラウンド16に進出したことで、2024シーズン開幕前からの始動を強いられたものの、開幕連勝スタートを切った。しかし徐々に息切れし、第15節千葉戦から第21節愛媛FC戦まで勝利なしという結果を受け、7月2日に監督交代を決断する。

篠田善之監督の解任に伴い、コーチから昇格した大塚真司監督だったが、この指揮官交代劇も大きなカンフル剤とはなれず、ラスト10戦3勝6敗1引き分けで14位でフィニッシュした。

ACLに加え、天皇杯とルヴァン杯で16強に勝ち進んでしまったことで過密日程を強いられ、逆にリーグ戦を戦う上で“足かせ”となってしまった格好だが、天皇杯ラウンド16では鹿島アントラーズを相手に1-2の惜敗。ルヴァン杯準々決勝でも川崎フロンターレに合計スコア1-2と、J1クラブにも引けを取らない戦いを繰り広げ、チームのポテンシャルは示した。14位という順位に甘んじるチームではないはずだ。

得点も失点も多く、“撃ち合い上等”の試合が多いが、チーム得点王が40歳のピーター・ウタカでは来季に不安を残す。補強ポイントがあるとすれば、このあたりだろう。

今年、S級コーチライセンスを取得したことで、シーズン終了を待たずして続投が発表された大塚監督。いきなりのJクラブ監督という重責を担うこととなったが、タイミングに恵まれたともいえる。“新人監督”の手腕に注目だ。また、指導者としての経験も豊富で、剛腕GM(ゼネラルマネジャー)としての顔も持つ佐久間悟社長兼GMの辣腕ぶりにも期待したい。

秋葉忠宏監督 写真:Getty Images

清水エスパルス:秋葉忠宏監督

評価:★★★★★/続投可能性:90%

昨2023シーズン、昇格プレーオフ決勝(国立競技場/東京ヴェルディ戦1-1でレギュレーションにより東京Vが昇格)で、悲劇を味わった清水エスパルス。例年の清水であれば、ここで監督交代となっていただろう。しかし、山室晋也社長以下フロントは、秋葉忠宏監督との“心中”の道を選ぶ。5年連続でシーズン途中に監督を更迭してきたクラブにとっては英断ともいえる選択だった。