評価:★★★★☆/続投可能性:90%
2022シーズンから指揮を執っていたファビオ・カリーレ監督が、2023年12月末突然、レアンドロコーチ、デニスコーチ、セザールコーチらスタッフを引き連れ、ブラジルのサントスFCと契約。二重契約にあたるとして、V・ファーレン長崎はFIFAに提訴するに至った(FIFA側は「裁定できないという」裁定)。
同時にヘッドコーチに就任することが内定していた下平隆宏氏が、急きょ監督に就任。柏レイソル(2016-18)、横浜FC(2019-21)、大分トリニータ(2022-23)に続き、4度目のJクラブの指揮を執ることになった。
スカウトやユース監督、強化担当、ヘッドコーチと様々なキャリアを積んだ上で監督となった下平監督。2019シーズンには横浜FCをJ1昇格に導いた実績もある。いい意味で、これといった指導方針を持たず、柔軟性があり、与えられた手駒でやり繰りするのが得意な指揮官でもある。
長崎では、15ゴールを記録したFWエジガル・ジュニオ、12ゴールのMFマルコス・ギリェルメ、10ゴールのFWフアンマ・デルガドといった強力なブラジル人選手の得点力を発揮させるサッカーに振り切り、総得点はJ2リーグで他を圧倒する「74」、得失点差も「+35」と、いずれもリーグ1位を記録。終盤、横浜FCがもたつく中、5連勝でリーグ戦を締め、惜しくも勝ち点差1で自動昇格には届かなかったが、昇格プレーオフで大本命と目されていることに異論はないだろう。
ルヴァン杯1回戦では浦和レッズを破り、天皇杯でも3回戦でアルビレックス新潟を6-1で粉砕、4回戦では横浜F・マリノスを相手に2-3で敗れたものの、一歩も引かない戦いを見せた。仮にJ1昇格できたとすれば、清水、横浜FC以上にサプライズを期待させるチームで、今2024シーズンの町田ゼルビア以上のインパクトを生み出す可能性もある。