「タッチスクリーンに対する熱が高まり、突然あらゆるものがタッチスクリーンになりました。
しかし、時が経つにつれて、人々はタッチスクリーンに飽きてしまいました。
タッチスクリーンが不便なインターフェースだと感じているわけではありません。
ただ人々はタッチスクリーンの利点を知った上で、物理ボタンに飢えているのです。
なぜなら、物理ボタンは触って感じることができ、ボタンの位置を常に目で見る必要がないからです」
実際、タッチスクリーンが普及しても、物理ボタンに置き換わっていないインターフェースは数多く存在します。
例えば、ビデオゲームをプレイするゲーマーは、スクリーンに集中するため、物理ボタンの付いたコントローラーを好みます。
またボタンが復活しているケースも数多くあります。
車のダッシュボードでは、様々なボタンやレバーが一度、タッチスクリーンになりました。
しかし私たちは、運転中の操作は、タッチスクリーンよりも従来の物理ボタンやレバーの方が容易かつ安全であることに気づきました。
その結果、物理的なインターフェースが再び採用されるようになっています。
実際、私たちはタッチスクリーンを操作する時、必ずタッチスクリーンを見なければいけません。
視線を別の方向に向けている状況では、操作できないか、誤操作を覚悟しなければいけません。
また、視覚障がい者たちはタッチスクリーンの扱いを難しく感じており、このこともタッチスクリーンが視覚に頼ったインターフェースであることを示しています。
こうしたインターフェースの特徴は、特にミスが許されない場面でタッチスクリーンよりも物理ボタンが好まれる理由を明らかにしています。