2007年に登場したiPhoneは、世の中から物理ボタンを無くしていきました。

しかし2024年9月、最新モデルであるiPhone 16には、2つの新しいボタンが追加されることになりました。

この現象は、スマホ以外の製品でも生じており、「ボタンの復活」が始まっていることを示唆しています。

ボタンの歴史を扱った書籍『Power Button:A History of Pleasure, Panic, and the Politics of Pushing』を執筆したインディアナ大学ブルーミントン校(Indiana University Bloomington)のレイチェル・プロトニック氏は、ボタンの復活が始まっている理由を解説しています。

目次

  • iPhoneがタッチスクリーンの時代を創る
  • 「物理ボタンの復活」とその理由

iPhoneがタッチスクリーンの時代を創る

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2007年に登場した初代iPhoneがタッチスクリーンを普及させた / Credit:Wikipedia Commons

2007年に登場したiPhoneは、当時、画期的なデザインとシステムを備えていました。

それまで一般的だった物理ボタンを使用した携帯電話(今で言うガラケー)とは異なり、タッチスクリーンによる直感的な操作が、ユーザーの心をつかんだのです。

それ以来、タッチスクリーンは一般的な技術になり、車や冷蔵庫など、あらゆるものに導入されました。

iPhoneが世の中から物理ボタンを無くしていったのです。

このことを分かりやすく示した事例は、携帯端末「BlackBerry(ブラックベリー)」の終焉でしょう。

このBlackBerryは1999年に販売された携帯端末であり、「スマホの元祖」とも言える存在でした。

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実は「元祖スマホ」だったBlackberry / Credit:Wikipedia Commons

オフィスの外にいながら、オフィス環境と同等のメールやブラウザが利用できることをコンセプトに置いた端末であり、特にビジネスマンたちの心をつかむことに成功しました。