定年後も元気なうちは働き続けたいというシニアが増えている。シルバー人材センターや一般企業はその受け皿としてシニアアルバイトを募集している。
しかし、シニアが定年後に従事するアルバイトには意外と危険な作業が多いのが実情だ。この記事では、シルバー人材センターなどの情報をもとに危険度が高いアルバイトを3つご紹介する。
1位:樹木の剪定等
シルバー人材センターによれば、2022年度の重篤事故(死亡または1~6ヵ月の入院および後遺障害事故)が最多の危険度1位のアルバイトは「樹木の選定等」である。
<事故の原因>
・高所からの転落
・ハチの毒によるアナフィラキシーショック
・熱中症 など
「高所からの転落」は2021年、2022年1~7月ともに重篤事故の原因ダントツ1位であり、大腿部骨折などの大けがが多い。また、虫刺されによるアナフィラキシーショックでは死亡者も出ており、この作業が大きな危険を伴うことは一目瞭然だ。
2位:除草作業
シルバー人材センターで重篤事故が多い危険度2位のアルバイトが「除草作業」だ。
<事故の原因>
・斜面からの転落
・ハチの毒によるアナフィラキシーショック
・蛇の毒による重篤な体調不良
・熱中症
・草や石のカケラなどが目に入る など
こちらも転落やハチに刺される事故、熱中症が多いが、毒蛇に咬まれる事故も発生している。また、草や石のかけらが目に入って失明したケースもあり、危険度が非常に高いといえる。
3位:屋内・屋外の清掃作業
シルバー人材センターの重篤事故多発アルバイトの3位は「屋内・屋外の清掃作業」である。
<事故の原因>
・スリップによる転倒
・階段からの転落 など
清掃後の滑りやすい床や階段では転倒や転落のリスクが高くなるが、足腰が衰えたシニアはそのリスクがさらに上がる。それが作業中の重篤な事故につながりやすいことは言うまでもないだろう。
他にもある!定年後のアルバイトには危険がいっぱい!
以上は定年後のアルバイトでもっとも危険度が高いものだが、危険度が高いアルバイトはまだある。
たとえば、家事代行やマンション管理、調理のアルバイトにおいては以下の事故が多発している。
・室内外の作業中に転倒・転落する
・調理中に包丁で手を切る
・コンロで調理中にやけどをする
・重いものを持ってぎっくり腰になる など
また、シルバー人材センターでは通勤中の交通事故も多いが 、加齢による認知機能の低下が事故の原因となっている可能性が高い。
定年後にアルバイトをする人は、以上のことを念頭に置きながら、どんなささいな作業も慎重に行いたいところだ。
文・大岩楓
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