明確な点は、OKUもUOKもモスクワのウクライナ侵略については批判していることだ。両教会にはその共通点があるのだから、いがみあうのではなく、双方が助け合っていく道が最善だが、ウクライナは現在、戦時下にある。平時のようにはいかない。特に、旧共産党政権時代、ロシア正教会は共産党政権と癒着してきた歴史がある。それゆえに、モスクワ寄りという一点で警戒心が湧いてくることは理解できる。例えば、キリル1世はKGB出身であると久しく囁かれてきた。その意味から、キーウ当局のモスクワ寄りの正教会の禁止はやむを得ない処置といえるが、戦争が終焉し、和平が戻った時には今回の法は再検討されるべきだろう。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年8月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。