■では「秋田犬」を何と読む?

柴犬の正しい読み方、3割が勘違いしているが… プロの明かす「真の呼び名」にグッと来た
(画像=『Sirabee』より引用)

1928年(昭和3年)に創設され、 日本国内における、最古の犬種団体としての権威と、90年の伝統を備える公益社団法人「日本犬保存会」の事務局長・井上実さんは「1936年(昭和11年)に天然記念物に指定された際、『しばいぬ』という読みで登録されました」と前置き。

その上で「しかし『しばいぬ』と『しばけん』のどちらが正しい読み方か、明確な決まりはないと思います」とのコメントを寄せてくれたのだ。

柴犬の正しい読み方、3割が勘違いしているが… プロの明かす「真の呼び名」にグッと来た
(画像=『Sirabee』より引用)

とは言え、井上さん個人としては「しばいぬ」読みに馴染みを感じているそうで、「半世紀近く前、アメリカで柴犬は『しばいぬ』という呼び名で、同犬種が普及されました」と、例を挙げる。

また「『しば』と『いぬ』はどちらも訓読みですが、『けん』は音読みですよね。なので個人的には『しばけん』という読み方には、少し違和感を覚えてしまいます」とも口にしていたのだ。

多くの団体では日本犬を「◯◯いぬ」と読むのが一般的だそうだが、井上さんは「秋田犬のみ例外で『あきたけん』と読みますね」と補足。その直後に「ただし、秋田犬保存会さんでは、秋田犬も『あきたいぬ』と読みます」との情報が飛び出し、頭が混乱してしまう…。

こちらの理由について、井上さんは「秋田犬保存会さんの本部は秋田県にあるため、秋田犬を『あきたけん』と読むと混乱してしまうので、このように読んでいるそうです」と、笑顔で説明してくれたのだった。

柴犬の正しい読み方、3割が勘違いしているが… プロの明かす「真の呼び名」にグッと来た
(画像=『Sirabee』より引用)

小型の日本犬の真の姿を追求し、柴犬の純化と固定化を目指して活動する「天然記念物柴犬保存会」の秋田支部・村岡朋子さんも「『しばいぬ』が正式な読み方です」「音読み、訓読みの統一も影響していると思いますが、あくまでも日本犬は『◯◯いぬ』と読みます」と説明する。

一方で村岡さんは「しばけん」読みについて、「本来であれば気にしなければならないのでしょうが…私自身は、読み方をさほど気にした経験はございません」ともコメント。

続けて「日本犬を『にほんけん』と呼ぶのであれば、『しばけん』と読むのも致し方ないのではと思いますし、JKCさんでは『柴』との表記のようですので、犬を愛するお気持ちがあれば、間違いだと訂正しなくても良いと思います」と、1人の犬好きとしての思いを語ってくれたのだ。

「しばいぬ」「しばけん」のどちらで呼ぼうと、犬を愛する気持ちが備わっていれば、それは「正しい呼び名」と言えるのだろう。