植物の世界でもステ振りは慎重に行う必要があるようです。
フィンランドのヘルシンキ大学(UH)で行われた研究により、植物は耐性遺伝子を多く持ちすぎると成長能力が低下し、逆に耐性遺伝子が少ない種では、成長能力が高いレベルに保たれていることが示されました。
このことは、特定の遺伝子を獲得することで起こる変化は、RPGのレベルアップのときのような「純利益」のみではなく、同時に遺伝子がもたらす負の影響を受け入れなければならない可能性を示しています。
しかし、なぜ植物たちのステータス設定は数ある要素の中で「耐性」と「成長」を結び付けるように進化したのでしょうか?
研究内容の詳細は2024年11月7日に『Science』にて発表されました。
目次
- 生命のステ振りは単純ではない
生命のステ振りは単純ではない
RPGが好きな人ならば、初期ステータス配分に頭を悩ませたこともあるでしょう。
生命力、攻撃力、防御力、素早さ、魔力、耐性といった基本的な要素の他にも、種族選択があるゲームでは種族特有の特技も考慮する必要があり、拘り始めるとあっという間に時間が溶けてしまいかねません。
ただ大抵のゲームの場合、頭を悩ますのはポイントを注ぐことで得られるプラス効果の範囲になります。
基本ステータスの場合は特にその傾向が強くなっています。
たとえば生命力に1ポイントを降ったらHP(ヒットポイント)が10伸びるとしたら、2ポイント注ぐべきか、それとももっと注ぐべきか……というように、基本的には増加分を悩むことになります。
しかし現実世界の生命は、より複雑な設定を受けています。
ある遺伝子を獲得して特定の能力を伸ばすと、同時に他の能力で不利益も被ることがあるからです。
極端な例はウスバカゲロウの成虫です。