今回、ウェルチ氏ら研究チームは、吸血コウモリが血液中のアミノ酸をどのように代謝してエネルギーを得ているのかを明らかにするため、24匹のコウモリを用いた実験を行いました。
ランニングマシン実験より、吸血コウモリの血液の代謝方法が明らかに
実験では、吸血コウモリたちをいくつかのグループに分け、それぞれに専用のウシの血を飲ませました。
あるグループでは、必須アミノ酸である「ロイシン」を高濃度で混ぜたウシの血を与えました
別のグループでは、非必須アミノ酸である「グリシン」を高濃度で混ぜたウシの血を与えました。
別のグループでは、そのままのウシの血を与えています。
その後、吸血コウモリたちを3つの強度(分速10m、分速20m、分速30m)で走らせ、酸素摂取量と二酸化炭素排出量などが計測されました。
吐き出された二酸化炭素を分析することで、アミノ酸がどのように代謝されたかを知ることができるからです。
実験において、コウモリは最初歩いていましたが、徐々に速度が上がっていくにつれ、小走りし、最後には跳ね回るように走りました。
ほとんどのコウモリは、90分間のテスト中、ずっと走り続けることさえできました。
吸血コウモリが走り続ける姿はなんともユニークで面白いですが、実験とはいえ、長時間走らされるコウモリからするとたまったものではなかったでしょう。
そして実験の結果、ランニングマシン上のコウモリの息からは、アミノ酸の代謝による二酸化炭素の生成がほぼ即座に検出されました。
さらにグリシンとロイシンの分解が、コウモリの走行中の総エネルギー生産量の60%を占めていることも分かりました。